「聴く耳を育てると、歌も変わる」
こんにちは。
ボイストレーナーの松木翠です。
さて発表会が終わって、あの日の音や空気を思い出すことはありませんか?
人に聴いてもらう緊張や喜び、そしてみんなの歌を聴いて感じたこと──。
そのひとつひとつが、あなたの中で“聴く力”を育ててくれています。
今日はそんな中から、「聴く力」について少しお話ししたいと思います。
“聴く”というのは、ただ音を耳で受け取ることではありません。
相手の声の中にある想いを感じ取ること、そしてその余韻を自分の心の中で味わうこと。
それが、音楽における「聴く力」だと思います。
人の歌を聴くと、ふと心が動く瞬間がありますよね。
それは、自分の中のどこかが共鳴しているから。
共鳴することで、自分がまだ気づいていなかった感情や表現の可能性に出会うことがあります。
この“共鳴”こそ、音楽を通じたコミュニケーションの始まりなのだと思います。
音楽も、人との関係も同じで、
「伝えたい」という気持ちだけでなく、「聴く」姿勢があることで初めて“対話”が生まれます。
相手の言葉や音を受け止める時間が、自分を豊かにしてくれる。
そして、その静かな時間の中で、自分の中の“音楽”も少しずつ深まっていくのです。
私自身、これまでにいくつもの音楽を通して“聴く力”を育ててもらったと感じています。
例えば、ジャズシンガー Irene Kral の歌う「The Gentle Rain」や「You Are There」。
「The Gentle Rain」
「You Are There」
また、大貫妙子さんと坂本龍一さんのDUOアルバム『UTAU』から「美貌の青空」「四季」。
「美貌の青空」
「四季」
そして、Joni Mitchell の「Blue」。
「Blue」
これらの音楽を聴いたとき、私の中に静かな衝撃がありました。
共通して感じたのは、「静寂」と「余白」。
歌詞もハーモニーもメロディーも、必要なものはすでにそこにあるけれど、
最も大切な部分は“聴き手に委ねられている”ように感じたのです。
その“信じて委ねる音楽”に出会ってから、
私の中で歌うことへの温度感が大きく変わりました。
そして今も、「聴く人を信じられる音楽」を目指して、歌い、作り続けています。
発表会を終えた今だからこそ、
少し立ち止まって“誰かの声に耳を傾ける時間”を大切にしてみてください。
それは、音楽を学ぶ上でも、日常の人間関係でも、
きっとあなたの心をやわらかく育ててくれる時間になるはずです。
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