こんにちは。

ボイストレーナーの松木翠です。

まだまだ暑い日が続いていますが、少しずつ夏の終わりも感じる頃。

今回は、私がこの夏に出会った曲、改めて好きになった曲、そして人から教えてもらった曲。

「夏に聴きたい」というテーマで、3曲をご紹介します。


① Luz / Djavan

まずは、ブラジルのシンガーソングライター、Djavan(ジャヴァン)の「Luz」。

この曲との出会いは、かなり唐突でした。

最近、ブラジル音楽を聴いてみようと思い、いろいろ検索していたんです。

そこでまず出会ったのが「Capim」という曲。

「なんだ、この音楽……?」

そこからDjavanをもっと聴いてみたくなり、辿り着いたのが「Luz」でした。

初めて聴いたとき、一瞬、

「……今、日本語だった?」

と思うくらい、歌が自然に耳に入ってきました。

もちろんポルトガル語なのですが、言葉の響きや歌の流れがとても滑らかで、まるで意味を理解するより先に、身体に入ってくるような感覚。

そして、気がつけばヘビーローテーション。

何度も聴いているうちに、特に気になってきたのが、歌の後ろで鳴っているリズムでした。

普通の「1、2、3、4」というビートとは、なんだか違う。

少しだけ、リズムが訛っているように感じるんです。

その「ちょっとしたズレ」のようなものが、とてもかっこいい。

正確に揃っているのに、機械的ではない。

歌もリズムも、どこか身体から自然に出てくるような感じがする。

ブラジル音楽を聴き始めたばかりの私には、その感覚がとても新鮮でした。

そして、そんなふうに「Luz」を聴いているうちに、次に聴こえ方が変わった曲があります。

それが、次にご紹介する「Wave」です。


② Wave / Antonio Carlos Jobim

Antonio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビン)の「Wave」。

まさに、私の中にもあった「ボサノバのイメージ」を代表するような曲です。

……と言いながら、実は私、この曲、

「ものすごく好き!」

というわけではありませんでした。笑

もちろん素敵な曲だとは思っていたし、何度も聴いたこともありました。

でも、なぜか自分の中では、そこまで強く惹かれる曲ではなかったんです。

ところが。

Djavanの「Luz」を何度も聴いたあとに、改めて「Wave」を聴いてみたら……

「あれ? こんな曲だったっけ?」

と。

同じブラジル音楽でも、聴こえ方が全然違う。

そして、それまで何となく聴いていたリズムやフレーズが、急に気になり始めました。

「ここ、こんなふうに揺れているんだ」

「このリズム、こういう感じなんだ」

そんなふうに、以前は気づかなかったところが耳に入ってくる。

不思議ですよね。

新しい音楽に出会ったことで、今まで知っていた音楽まで、新しく聴こえるようになったんです。

「Luz」と「Wave」。

どちらもブラジル音楽ですが、私にとってはこの2曲を続けて聴くことで、それぞれの魅力がよりはっきり感じられるようになりました。

音楽って、こういうところが面白い。

そしてこのお2人のやり取りがより楽しいー!って気持ちにさせてくれます!

ひとつの曲を知ることで、別の曲の聴こえ方まで変わってしまう。

そんな発見があるから、私は新しい音楽を探すのがやめられないのかもしれません。


③ The Summer Knows / Michel Legrand

最後は、Michel Legrand(ミシェル・ルグラン)の「The Summer Knows」。

この曲は、今回の3曲の中で、ちょっと違う出会い方をしました。

先日、友人のボーカリストがこの曲を歌っていて、

「いい曲だなぁ」

と思ったのが最初。

その後、別の友人のボーカリストに、

「夏の終わり、晩夏に聴きたくなる曲って何かない?」

と聞いてみたんです。

そこで教えてもらったのが、この「The Summer Knows」でした。

誰かが歌っているのを聴いて知る。

そして、別の誰かからも同じ季節の曲として教えてもらう。

そんなふうに、人を介して自分のところへやってきた曲です。

「The Summer Knows」は、映画『おもいでの夏(The Summer of ’42)』のテーマ曲。

タイトルの通り「夏」を歌った曲ですが、私には真夏の強い日差しというより、むしろ夏が終わりに近づいた頃の空気を感じます。

少し日が短くなってきた夕方。

まだ暑さは残っているけれど、どこか風が変わってきたような感じ。

楽しかった夏を振り返るような、少しだけ寂しい気持ち。

そんな「夏の終わり」に似合う曲だなと思います。

そして、この曲を歌っていた友人の歌を聴いたことも含めて、

「この曲、誰かにも歌ってほしいな」

と思わせてくれるのも、歌の面白いところ。

音源を聴くだけではなく、誰かの歌を通して曲に出会う。

そこからまた、自分の中でその曲が育っていく。

今回の「The Summer Knows」は、そんな音楽との出会いでした。


3曲を並べてみると

こうして並べてみると、

Djavanの「Luz」。

Jobimの「Wave」。

そしてMichel Legrandの「The Summer Knows」。

それぞれ、全然違う夏があります。

新しい音楽を探していて偶然出会った「Luz」。

その「Luz」をきっかけに、以前とは違う聴こえ方をするようになった「Wave」。

そして、人の歌や人との会話を通して出会った「The Summer Knows」。

音楽との出会い方も、それぞれ違います。

でも、こういう小さな出会いが、少しずつ自分の「好き」を増やしてくれる。

この夏、私はそんな音楽の楽しさを改めて感じています。

皆さんにも、今年の夏の終わりに聴きたくなる一曲がありますか?

もしあったら、ぜひ教えてください!

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