こんにちは。
ボイストレーナーの松木翠です。
もう8月という方もいれば、まだ8月と思う方もいるのですが、レッスンの中では12月の発表会に向けての少しずつ準備が始まっています。
発表会というと、当日のステージを思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも、MMMusic Schoolでは、発表会は「何を歌うか」を考えるところから、もう始まっているということで、、
今回のブログテーマはこちら!
「歌いたい」を、どうやって「できる」に変えていく?
― 目標に向かって練習を設計するということ ―
「歌いたい」を、まず大切にする
発表会の曲を選ぶとき、私がまず大切にしているのは、
・好きな曲
・歌ってみたい曲
・思い入れのある曲
です。
「この曲を歌いたい」と思う気持ちには、その人なりの理由や思いがあります。
だから、先生側から一方的に「この曲が合っていますよ」と決めるのではなく、
「どんな曲が好き?」
「今、歌ってみたい曲はある?」
「発表会ではどんなことに挑戦してみたい?」
そんな話をしながら、一緒に選んでいきます。
ただ、選曲は「好きだから」という理由だけで決めているわけでもありません。
その人の声や、これまでの経験、今までのレッスンで取り組んできたこと。
そして、
「今、何ができて、これから何ができるようになりそうか」
ということも一緒に考えます。
「簡単にできること」と「できそうなこと」は違う
練習するとき、今の自分が簡単にできることだけを選べば、もちろん安心して取り組むことができます。
でもそれだけでは、新しい課題や発見には出会いにくいかもしれません。
反対に、今の自分にはあまりにも難しすぎることなら、練習しても「できない」が続いてしまいます。
私が大切にしたいのは、その間にあるところです。
「まだ完全にはできない。」
でも、
「少し考えてみたら、できるかもしれない。」
「練習していったら、届くかもしれない。」
「やり方を工夫したら、できるようになるかもしれない。」
そんなところ。
その人にとっての「できそう」は、一人ひとり違います。
例えば、
今までより少し高い音に挑戦すること。
今まであまり歌ったことのないリズムに取り組むこと。
新しい表現に挑戦すること。
これまでとは違う歌い方を試してみること。
あるいは、生演奏での歌唱や人前で歌うことそのものが新しい挑戦になる人もいます。
だからこそ、選曲の段階から、その人の現在地を見ながら「今の自分から少し先にある課題」を一緒に探していきます。
曲が決まったら、そこから練習を設計する
そして曲が決まったら、
「この曲を12月に歌えるようになるためには、何が必要だろう?」
と考えていきます。
高い音が課題なら、そこに必要な発声を。
リズムが課題なら、リズムの練習を。
表現が課題なら、曲の解釈や歌い方を。
一つの曲の中にも、必要なことは人によって違います。
だから、同じ曲を選んだとしても、レッスンの内容や進み方は同じではありません。
今の状態を見ながら、
「まずここを練習してみよう」
「次はここまでできるようにしよう」
と、一つずつ課題を見つけていきます。
そして、12月という本番から逆算しながら、その人に必要な練習を積み重ねていきます。
うまくいかないことも、練習の一部
もちろん、練習していれば、すぐにできるようになるとは限りません。
思ったように声が出ないこともある。
リズムがうまく取れないこともある。
何度やっても、なかなかできないこともあります。
でも、そこで終わりではありません。
「あ、ここが今の自分の課題なんだ。」
と分かることも、大切な一歩です。
少し考えてみる。
試してみる。
うまくいかない。
やり方を変えてみる。
もう一度やってみる。
そうやって試行錯誤を重ねていく中で、
「あ、できた!」
という瞬間がやってくる。
その積み重ねこそが、練習なのだと思います。
発表会は、当日だけのものではない
発表会で歌う一曲は、当日突然完成するものではありません。
「この曲を歌いたい」と思うところから始まって、
今の自分を知って、
少し先にある「できそう」を見つけて、
そこに向かって必要な練習をしていく。
その一つひとつの時間も、発表会の大切な一部です。
そして、この考え方は発表会だけのものではありません。
ライブで新しい曲に挑戦するときも、
苦手な音域を克服したいときも、
弾き語りに挑戦するときも、
「いつかこんなふうに歌えるようになりたい」という目標ができたときも。
まず今の自分を知る。
そこから、少し先の「できそう」を見つける。
そして、その目標に向かって、必要な練習を一緒に組み立てていく。
それが、私がレッスンで大切にしていることの一つです。
12月の発表会に向けて、もう曲が決まって練習を始めている生徒さんもいます。
まだ「何を歌おうかな?」と迷っている方も、焦らなくて大丈夫。
「歌いたい」という気持ちを出発点にして、
その人にとっての「できそう」を一緒に探していきましょう。
今年も、それぞれの一曲がどんなふうに育っていくのか、私自身も楽しみにしています。
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